坊主、フィクサー、ヤクザ――より多くの金をつかんだ者が、京都を制する!欲望に翻弄される人間たちを描く、漆黒のビルドゥングス・ロマンがいよいよ刊行。
「月村先生、よくぞここまで書きましたね」
――『闇金ウシジマくん』『九条の大罪』の作者、真鍋昌平さんも驚愕!
『土漠の花』(日本推理作家協会賞受賞)『欺す衆生』(山田風太郎賞受賞)『半暮刻』など、数多くのベストセラーを通して、現代日本の抱える闇を描き続ける作家・月村了衛さんの最新刊『虚の伽藍』が新潮社より発売されました。
舞台はバブル期の京都。若き僧侶が、地上げ戦争を制して京都の支配者へとのし上がっていく物語のリアリティーは、『闇金ウシジマくん』『九条の大罪』の著者である真鍋昌平さんも驚くほど。
政治権力すら及ばない古都・京都。その最深部でくり広げられた壮絶な利権争いを活写し、
欲望に翻弄される人間たちを描く著者の新たなる代表作を、ぜひご堪能ください。
『欺す衆生』で「豊田商事事件」に材をとり、現代日本を描破した月村了衛さんが、最新刊『虚の伽藍』では、バブル期の京都でくり広げられた壮絶な地上げ戦争に挑みます。
宗派内の派閥争いに巻き込まれた若き僧侶が、地上げ戦争を制し京都の支配者へとのし上がるまでを描く本作は、地上げ戦争が繰り広げられる第一部、伝統仏教最大宗派の頂点をめぐる貫主選挙を追う第二部の二部構成。ダイナミック、かつ重厚な物語は、決して読者の期待を裏切りません。
また、10月22日発売の「小説新潮」11月号では、『虚の伽藍』刊行を記念して、月村了衛さんと真鍋昌平さんの対談が実現。「絶望」に満ちた現実を見つめ続ける二人の社会派作家にとっての「希望」とは……。こちらもお見逃しなく!
■内容紹介
バブル前夜。実家の寺を助けるため、仏教最大宗派である燈念寺派の宗務院に勤務し、出世を目指す僧侶・凌玄。ある日、寺の所有する土地売却の立ち合いで、燈念寺派が二重帳簿を付けていることに気付く。そのことで宗派内の実力者ににらまれ、窮地に追い込まれた彼に手を差し伸べたのは、京都闇社会の実力者・和倉だった。欲望にまみれた燈念寺派を正道に戻すため、あえて悪に染まっていく凌玄。ヤクザを利用し敵を排除、人殺しすら躊躇わない凌玄は、燈念寺派の総貫首にまで登りつめる。はたして、金と欲にまみれた求道の果てに待っていたのものとは……。
■著者紹介
月村了衛(つきむら・りょうえ)
1963(昭和38)年、大阪府生れ。早稲田大学第一文学部卒。2010(平成22)年、『機龍警察』で小説家としてデビュー。2012年『機龍警察 自爆条項』で日本SF大賞、2013年『機龍警察 暗黒市場』で吉川英治文学新人賞を受賞。2015年、『コルトM1851残月』で大藪春彦賞を、『土漠の花』で日本推理作家協会賞を受賞。2019(令和元)年、『欺す衆生』で山田風太郎賞を受賞。他の著書に『東京輪舞』『奈落で踊れ』『機龍警察 白骨街道』『ビタートラップ』『半暮刻』『対決』。
■書籍データ
【タイトル】虚の伽藍
【著者名】月村了衛
【発売日】10月18日
【造本】四六判ハードカバー
【本体定価】2,200円(税込)
【ISBN】978-4-10-339533-1