【HMV&BOOKS書店員が選ぶ今月の５冊】”自然を感じられる本”５選

新刊からは、「鏡のなかのアジア」（2021年7月発売）をピックアップ！

今回のキュレーターは、HMV&BOOKS onlineの書籍担当 武井彩。

8月に入り、いよいよ夏本番となりました。
暑い日には、涼しい場所でのんびりと読書なども良いかもしれません。
そこで、今月は"自然を感じられる"作品 5冊をピックアップしました。
室内でも、想像の翼を広げ、距離や時代をも超えて、本の中の景色に想いを馳せてはいかがでしょうか？

HMV&BOOKSでは、提案型の売り場を通じて、お客さまに本との"出会い"や"発見"を提供しています。本企画によって、オンライン上でも店舗と同じように、お客さまと本との"出会い"のきっかけを提供できればと考えています。
 

• [小説] 鏡のなかのアジア (集英社文庫) ／ 谷崎由依 （出版：集英社 発行：2021年7月発売）【新刊】

チベット、台湾、クアラルンプール……。アジアの土地をモチーフに、翻訳家でもある気鋭の著者が描く、全五編の幻想短編集。
翻訳者らしい、著者独特の言葉選びや描写が一層ものがたりにヴェールのような、靄のようなものがかかった不思議な奇妙さを醸し出して惹き込まれる。柴田元幸先生の書評とともに読むと、より興味深い。
第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞作。

▶https://www.hmv.co.jp/product/detail/11974831
 

• [小説] 夏の葬列 (集英社文庫) ／ 山川方夫 （出版：集英社 発行：1991年5月発売）

1965年に夭折した知る人ぞ知る山川方夫という小説家の、代表的ショート・ショートと中篇を収録した1冊。太平洋戦争末期の夏の日に、逃げ遅れた少年をかばって少女が銃殺されてしまう。
表題作をはじめ、人生の哀しみや残酷さや無常さなどといった事を様々に考えさせられ、当時の空や海の描写に思いを馳せるのも良い。

▶https://www.hmv.co.jp/product/detail/2828383

• [漫画] 北北西に曇と往け 1巻～5巻 ／ 入江亜季 （出版：KADOKAWA 発行：2021年1月発売）

北欧アイスランドを日本人の主人公・御山慧が駆け巡る、青春ミステリ。画力に定評のある入江亜季が描くアイスランドの雄大な、時に厳しい自然は臨場感たっぷり。家にいながら想像アイスランド旅行が楽しめる作品としても話題。現在5巻まで発売中。

▶https://www.hmv.co.jp/product/detail/11429458

• [エッセイ] エンデュアランス号漂流記 ／ アーネスト シャクルトン(著)、木村 義昌(翻訳)、谷口 善也(翻訳) （出版：中央公論新社 発行：2003年6月発売）

南極大陸を横断中に母船が沈没し、流氷に取り残されたシャクルトン隊（20世紀初頭の英国の極地探偵隊）28人が生還するまでを描く。隊員同士の深い友情、不撓不屈の精神に、絶望的な状況のなかでも生き抜く力強さを感じられる。南極の写真集があれば、横に置いて読むとなお楽しめる。

▶https://www.hmv.co.jp/product/detail/3142054

• [エッセイ] 旅をする木 ／ 星野道夫 （出版：文藝春秋 発行：1999年3月発売）

アラスカの自然と人々に向き合い、世界の広がりをみた旅の記録。壮大なアラスカの景色や人々の温かさが伝わってくる名エッセイ。正確に移ろう季節のなかで暮らすこと、その美しくも厳しい自然と動物たちの生き様を写真に撮る日々、都会に暮らす人ならばなおさら、そのすべてが尊い事だと感じられる。33篇を収録。

▶https://www.hmv.co.jp/product/detail/2985199

• HMV&BOOKS書店員が選ぶ今月の5冊 について

本企画では、毎月テーマを決め、全国のHMV&BOOKSで働く書店員が選書した5冊を紹介いたします。時節や気分にあわせたテーマによる選書が、新たな本との出会いのきっかけになればと考えています。

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