近年の日本における電子書籍市場における競争は激化の一途を辿っております。各社は有効な経営施策を断続的に打ち出す必要があり、当社もその例外ではありません。このような状況の中、当社はバックエンド業務の効率化を進めることを通じて事業効率を改善しつつコンテンツ力を向上させることを企図し、同業務の一部をイーブックイニシアティブジャパンに委託することを決定いたしました。そして、イーブックイニシアティブジャパンが2021 年6月1日付で公表した「LINE Digital Frontier 株式会社との業務提携に関するお知らせ」(以下「本業務提携契約に関するプレスリリース」といいます。)に記載のとおり、当社はイーブックイニシアティブジャパンとの間で業務提携契約(以下「本業務提携契約」といいます。)を締結いたしました。
同時に、当社とイーブックイニシアティブジャパンとの間では、本業務提携契約締結以前からシナジーの創出に向けた協議が行われておりました。このような事実に鑑み「本業務提携契約に関するプレスリリース」においてはバックエンド業務の共通化のみならず、それを超えた領域での協業についても今後協議を進めていく旨が記載されておりました。当該記載により2021 年6月2日以降のイーブックイニシアティブジャパンの株価は、本業務提携契約締結により創出されるシナジー以外にも、本取引によらなければ実現できないシナジーが本業務提携契約締結に引き続いて実現するとの期待を先取りして上昇を見せていたと理解しております。
このような理解の下、当社は、本業務提携契約締結を公表した2021 年6月1日を基準日とした過去1ヵ月間(2021 年5月6日から2021 年6月1日まで)の終値平均2,589 円に対して83.47%(小数点以下第三位を四捨五入。)ものプレミアムを加えた水準である1 株当たり4,750 円を本公開買付けにおける買付価格(以下「本公開買付価格」といいます。)とすることを2021 年9月30 日の当社取締役会において決定いたしました。
当社としては、本公開買付価格は、イーブックイニシアティブジャパンの価値を十分に反映しているものと考えており、当社および当社グループ会社の株主等に対する説明責任も勘案すれば、これを超えるプレミアムを付加することはできず、1株4,750 円という本公開買付けの買付価格の変更を検討する余地はありません。
なお、本公開買付けでは、買付予定数の下限を1,328,800 株(所有割合:23.48%。小数点以下第三位を四捨五入。)としておりますが、仮に応募株数が買付予定数の下限を満たさず本公開買付けが不成立となった場合には、大変遺憾ではございますが、当社としては今回のイーブックイニシアティブジャパンの非公開化を断念し、イーブックイニシアティブジャパンとは相互に独立した事業者として実現可能なシナジーのみを追求していくこととなります。
本公開買付けは、日本における電子書籍市場の競争の激化を踏まえ、当社とイーブックイニシアティブジャパンが競争関係を脱却して互恵的にシナジーを享受することを目指すものです。イーブックイニシアティブジャパンが厳しい日本の電子書籍業界における競争を生き残り、更なる発展を遂げるためには、本公開買付けにより当社とイーブックイニシアティブジャパンが資本関係を共通にして、より密接に連携していくことが不可欠であると確信しております。イーブックイニシアティブジャパンにおいても、本公開買付けに賛同し株主の皆様に応募を推奨する旨の意見が表明されており、同社の非公開化が同社の企業価値の向上に資するとの判断についてイーブックイニシアティブジャパン及び当社の間に齟齬はありません。上述の当社の考え方について是非ご理解をいただき、イーブックイニシアティブジャパン株主の皆様におかれましては、本公開買付けにご応募をいただきますよう、何卒お願い申し上げます。
(注1) 本公開買付けの詳細につきましては、当社が2021 年9月30 日に開示した「株式会社イーブックイニシアティブジャパン株券等(証券コード3658)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」をご参照ください。
(注2) 本公開買付けに対する当社の考え方の詳細については、当社が2021 年10 月1日に提出した「公開買付届出書」のp.12「第1公開買付要項 3買付け等の目的 (2)本公開買付けを実施するに至った背景、目的並びに本公開買付け後の経営方針 ①本公開買付けの目的及び背景」をご参照ください。
以 上