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お化け好きに贈る『怪と幽』vol.008の特集は、ホラー漫画のパイオニア・楳図かずお!

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楳図かずおが語る「楳図式ホラーの流儀」

株式会社KADOKAWAは、8月30日(月)に、お化け好きに贈るエンターテインメント・マガジン『怪と幽』vol.008を発売いたしました。
 

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特集「楳図かずおホラーワールド」では、楳図かずお氏の魅力に迫ります。楳図氏が自身の恐怖感を語るインタビューから、足跡をたどる作品紹介「楳図かずおの軌跡」、音源紹介、映像化作品紹介、「楳図ファンが選ぶ戦慄の一作」について伊藤潤二氏、大槻ケンヂ氏、小野不由美氏、片岡愛之助氏、児嶋都氏、近藤ようこ氏、高橋葉介氏、ピエール瀧氏、ヒグチユウコ氏、諸星大二郎氏の10名が寄稿。さらに楳図氏を師と仰ぐ綾辻行人氏の“ラブレター”など、盛沢山でお送りします。ぜひ本誌をご覧くださいませ。

※こちらでは、「怪と幽」vol.008の特集「楳図かずおホラーワールド」より、「激白! 楳図かずおインタビュー 楳図式ホラーの流儀」の一部をご紹介します。
 

  • 激白!
    楳図かずおインタビュー
    「楳図式ホラーの流儀」

日本のホラーマンガのパイオニアであり、リーダーとして常に新しい分野を切り開いてきた楳図かずお。現在も幅広く活躍を続け、二〇一八年にはフランス・アングレーム国際マンガフェスティバルで遺産賞を受賞。今年の九月三日に八十五歳の誕生日を迎えるレジェンドに、ホラーと恐怖についてたっぷりと語っていただいた。

取材・文=中野晴行
 

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■ ホラーには決め事がある

新型コロナウイルスの流行であまり外に出ることができなくなりました。いつもなら大好きな散歩に出たりするんだけど、それができないので、家にいて、ビデオで昔の外国の映画を観ることが増えました。

いろいろ観ましたけど、見応えがあって、わかりやすくて、おもしろいのが、古い怪物もの映画です。『透明人間』(一九三三)とか『フランケンシュタイン』(一九三一)とか、『吸血鬼ドラキュラ』(一九五八)……。そのほかの映画はどうもダメですね。

怪物ものというとバカにする人が多いかも知れないですが、お話をきちんとつくっていて、理屈抜きにして観る者に対する説得力があるんです。少なくともホラーの決め事として納得できるんです。これはとても大事なことです。

最近、ホラーの決め事がわからない人が増えたような気がします。

あるとき「ホラー映画を撮りませんか」というお話がありました。七十七歳で映画『マザー』(二〇一四)の監督・脚本を担当しましたけど、それよりも前のことです。僕がストーリーも書いて監督もやってほしい、ということでした。それで、がんばってストーリーを書いて依頼してきた方に渡したら、その方は「わかりません。わかりません」なんですよ。

すっと読めばわかるはずなのに「わからない」と言う。よく聞いてみると、話がこういう流れになる理由がわからないというのです。こういうタイプの人っているんですよ。

僕は、「ドラマ系」と「ドキュメンタリー系」とタイプ分けしてみました。すると、ドキュメンタリー系の人には、ホラーの決め事が通じないことがわかってきました。

僕に「ホラー映画を撮りませんか」と言ってきた人が、まさにドキュメンタリー系だったのです。もちろん相手の方は仕事だからわかろうとしてくれてはいるんです。でも、十回くらい説明しないとわかってくれない。

テレビ局でもそうだけど、ドラマ系でない部署にドラマの企画を持って行ってもダメなんです。中には両方できる人もいますけど、現実主義なドキュメンタリー系の人はドラマが理解できないのです。テレビだけではなく、マンガの編集者にもそういう人はいるんです。「こうなるのには理由があるから」と説明してくれたらわかる、と言うのだけど、そこを書いてしまったのでは、ホラーにはならないですね。

たとえば、ホラーの中では、ドアを開けたらいきなり怪物が立っていたりします。ものすごく綺麗な女性が、突然不気味な表情になったりもしますね。そこに驚きがあるのに、ドキュメンタリー系の人は「わからない」なんです。順番にきちんとしていないといけないらしいけど、それではホラーにはならない。その点、さっき言った昔の怪物映画はとてもよくできています。理屈ではなく驚かせてくれるんです。

結局、映画のお話はなくなってしまいましたが、そのほうがよかったんです。

僕のマンガにもたくさん怪物が出てきます。初期の少年マンガには、環境の変化に対応して異形のものになったというお話が多いですね。『笑い仮面』(一九六七)のアリ人間や『半魚人』(一九六五)などは、地球が滅びそうになったので、アリ人間や半魚人として生き延びる怪物が登場します。

ところが、実際の生物の進化はそんなに簡単に起きることはないのです。もっと時間をかけて環境に適応していきます。僕が読んだ本では、遺伝子が変化するには四万年かかるというんです。滅ぼうとしているのに、四万年なんか待ってられないですね。ダーウィンの『進化論』では生物は環境にあわせて進化してきた、と言いますけど、僕は必ずしもそうじゃないと思っています。

生物がいちいち環境に慣れてから生き延びるのだとしたら、遅いんですよ。

一方で、ゆっくりした生物の適応と違って、個人の人生の中では、短い期間でもいろんな変化が起きます。個人的に大きなショックを受けると考え方や行動が変化します。これも適応だと思います。

この個人レベルの適応が、遺伝子レベルに影響を与えるようなことがあるんじゃないかと考えているんです。生物的な面と個人的な面での変化をうまく組み合わせることで、大きな環境変化に対応して生き延びることが可能になるのかもしれません。

『笑い仮面』や『半魚人』を描いていた時にそこまで考えていたわけではありませんし、それではマンガにはなりませんから、読む人たちがわかりいいように、地球の破滅が近いからこんな変化が起きた、というのを絵にしたのがアリ人間や半魚人です。

さきほどのドキュメンタリー系の人たちにとっては、「なんでここにアリの怪物が出てくるんですか? 男の子が半魚人にさせられるんですか? わかりません」なのかもしれませんけどね(笑)。

※続きは「怪と幽vol.008でお楽しみください。
https://www.kadokawa.co.jp/product/322003000369/

 

  • 特集の最後には、楳図氏から「あっと驚くお知らせ」があります。

 

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『怪と幽』vol.008 2021年9月
https://www.kadokawa.co.jp/product/322003000369/

定価: 1,980円(本体1,800円+税)
発売日:2021年8月30日
判型:A5判
商品形態:雑誌
ページ数:356頁
雑誌コード:62488-92
ISBN:978-4-04-109672-7

●特集
楳図かずおホラーワールド

【インタビュー】激白! 楳図かずおインタビュー「楳図式ホラーの流儀」
【漫画】復刻! 「のろいの面」楳図かずお
【告知】注目! 「こわい本」刊行開始!
【寄稿】耽溺! 楳図ファンが選ぶ戦慄の一作 伊藤潤二、大槻ケンヂ、小野不由美、片岡愛之助、児嶋都、近藤ようこ、高橋葉介、ピエール瀧、ヒグチユウコ、諸星大二郎
【コラム】仰天! 楳図かずおの軌跡
【コラム】熱唱! UMEZZレコードガイド
【コラム】堪能! UMEZZ映像作品ガイド
【エッセイ】熱愛! 綾辻行人「今さら「ラブレター」なんて……」

●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、山白朝子、澤村伊智、近藤史恵
●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介
●論考/エッセイ/インタビュー 京極夏彦、荒俣宏、東雅夫、加門七海、村上健司&多田克己、鈴木優作
●グラビア げみ、芳賀日出男、佐藤健寿、怪食巡礼
●怪談実話 岩井志麻子、牛抱せん夏、しのはら史絵
●お化け友の会ひろば ナカニシア由ミ、伊藤慎吾、河野隼也、岩名謙太、Apsu Shusei
etc……

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